夕方6時半から本堂でお勤めをして住職のお話の後、7時過ぎからホーミー歌手の梅木秀徳さんのコンサートが開催されました。ホーミーはモンゴルの遊牧民族に伝わる喉歌で、一人で2種類の音階の声を出す歌です。馬頭琴の響きとマッチして、平和な暮らしの原点の一つとも言える雄大な大草原の風景を感じさせます。恒例のスイトンの夕食は今年は出来ませんでしたが、例年以上に多くの方々が来て下さいました。20代から80代までの幅広い年齢層でしたが、参加された皆さんは初めて出会う不思議な歌声に引き込まれていきました。
69年前のこの日、正確には8月2日の未明ですが、水戸市はアメリカ軍の空爆で何の罪もない約360人の方々の命が奪われました。韓国のセオル号沈没事故やウクライナでのマレーシア機撃墜事件では、300人弱の命が奪われて世界中で大騒ぎになっていますが、69年前のこの日、新聞に1行の記事も載る事もなく私たちが住む水戸では約360人の命が奪われ、そして忘れ去られようとしています。
3年前、私たちはあの東日本大震災に見舞われました。光円寺も墓地はまるで爆撃を受けた様な光景となり、本堂も大きな被害を受けました。お陰様で本堂は1年後には無事修復工事が完了して、今年も平和を願う会での水戸空襲と東日本大震災犠牲者の追悼法要を無事勤めることが出来ました。僅か3年前なのにあたかも何事もなかったように本堂でお勤めが出来る事に、ある種の恐ろしささえ感じます。今も仮設住宅で避難生活をされている方々にとって何が一番辛いかと問うと、忘れ去られる事ですという答えが返って来るそうです。例え細々であっても、69年前の出来事を伝えていく事はとても大切な事だと思っています。